治療法

頸椎ヘルニア

頚椎ヘルニアには、いくつかの治療法があります。
「安静」もその一つです。「保存治療」とも呼ばれます。
ヘルニアは、突然疼痛が起こり、その後はっきりと痛みが軽減し、やがて完全に消失するのが特徴です。6~8週間すれば、大半の患者さんが回復に向かうと言われています。
そのため、我慢できる範囲の症状であれば、医師の指導のもと、安静にして経過が見られる場合もあるのです。
保存治療では、温熱療法や運動療法、リハビリテーションが行われます。
温熱療法とは、患部を温めて血行を良くする方法です。筋肉のコリをほぐすことにより、肩こりなどの症状の改善につながります。
また、頚椎ヘルニアの悪化や再発を防ぐためには、生活習慣の改善も必要です。その基本は、姿勢を正し、頚椎に無理な力がかからないようにすることです。
デスクワーク、頚椎に負担がかかる労働、スポーツなどをしている人は、特に注意が必要です。

病院で頚椎ヘルニアと診断された場合、鎮痛薬が処方されることもあります。ボルタレン、ロキソニンといった日ステロイド消炎鎮痛薬が用いられるのが一般的です。
その他、局所麻酔薬や貼り薬、塗り薬などで炎症を抑えることも有効です。

3~4ヶ月経過しても症状が緩和されない時は、手術やレーザー治療を検討する必要が出てきます。
外科的手術では、飛び出している椎間板を切除したり、隙間を広げたりすることによって、神経の圧迫を防ぎます。
近年では、負担を最小限に抑える術式が主流となっています。手術にかかる時間は2~4時間程度、術後の入院は1週間~2週間程度です。

頚椎ヘルニアが初期段階である場合は、レーザー治療も有効です。
レーザー治療は、短時間で終わり、体への負担も少ないため、近年注目されている治療法です。1泊2日の短期入院か、場合によっては日帰りすることも可能です。
レー―ザー治療の正式名称は、「経皮的レーザー椎間板減圧術」です。略して、「PLDD」とも呼ばれています。
一般的な外科手術のように、患部をメスで切開する必要はありません。細い針を注射してレーザーを照射するという方法です。
従来のヘルニア手術では、ヘルニアの部分を切除するのが一般的でした。ですが、レーザー治療の場合は、椎間板繊維輪から飛び出していない髄核を焼いて空洞を作り、そこにヘルニアとなっている髄核を引っ込めます。
首の部分を切開して手術する従来の手術法に比べて、体への負担を最小限に抑えることができるのが、レーザー治療の大きなメリットです。
小さな子どもやお年寄りには、その効果は特に大きいでしょう。
ただし、髄核が常に大きく飛び出してしまっているヘルニアには、十分な治療効果が得られないことがあります。
レーザー治療での回復を望む場合は、特に早めに病院を受診することが大切です。

症状

頸椎ヘルニア

椎間板ヘルニアは、椎間板の中の髄核が飛び出す病気です。
飛び出したヘルニアが近くを通っている神経組織を圧迫することによって、様々な神経症状が現れます。
頚椎ヘルニアは、首の部分に発症する椎間板ヘルニアです。そのため、首や肩周辺のコリ、痛み、しびれといった症状から始まるのが代表的です。
ですが、歩行障害、尿失禁といった下半身の症状が現れる場合もあります。

どんな症状が起こるかは、頚椎のどこにヘルニアができるかによります。
頚椎は、全部で24個ある脊椎の内、上から数えて1番目から7番目の脊椎に該当します。
頚椎の4番目以下でヘルニアが起こると、腕のだるさ、しびれ、むくみ、握力低下といった症状が現れます。この場合、注射や手術、レーザー治療が必要になることもあります。
頚椎の3番目以上でヘルニアが起こると、頭痛、吐き気、めまい、眼の奥の痛み、耳鳴りといった症状が現れます。
特に、頚椎の1番目は、頭蓋骨へとつながっています。この付近でヘルニアが起こると、頭に続く血管が圧迫されてしまいます。動脈硬化を併発している場合、脳梗塞につながる危険もあるのです。

頚椎ヘルニアの重症度は、人によって異なります。
一般的に、首をねちがえたような軽い痛み、背中の疼痛、前胸部の痛みだけにとどまっている場合は、頚椎ヘルニアの初期段階だと言われます。
症状が軽いうちは、安静にしたり、リハビリテーションを中心とする治療だけで回復できるでしょう。
ただし、自己判断は危険です。整形外科などを受診して、MRIやCTで正確な診断をしてもらうことが大切です。
両手や下半身にも症状が現れ始めたら、頚椎ヘルニアが重症化していると考えられます。歩きにくくなったり、尿失禁したりと、日常生活に支障が起きるようになれば、手術を検討する必要が出てきます。

椎間板ヘルニア

頸椎ヘルニア

私たちの体の中心には、背骨が通っています。背骨は、小さな骨がいくつもつながって成り立っているのです。
背骨は、専門的な言葉にすると、「脊柱」と呼ばれます。脊柱を構成している一つ一つの骨が、「脊椎」です。
私たちが普段「背骨」と読んでいるものは、全部で24個の脊椎がつながってできているのです。
脊柱すなわち背骨は、さらに5つのゾーンに分けられます。首の部分が「頚椎」、胴の部分が「胸椎」、腰の部分が「腰椎」、さらに下へ降りて、「仙骨」「尾骨」と続きます。
これらは、私たちの体を支える大切な柱となっています。
その柱に起こりやすい病気の一つに、ヘルニアがあります。中でも今回は、首の部分に起こる「頚椎ヘルニア」について考えてみたいと思います。

頚椎ヘルニアは、いわゆる「椎間板ヘルニア」の1つです。
椎間板とは、脊椎と脊椎の間にあって、クッションの役割を果たしている組織です。椎間板は、背骨に加わる力の約80%を支えていると言われているのです。
椎間板は、中心部分の柔らかい髄核と、周辺部分の繊維性軟骨組織から成る繊維輪で構成されています。
繊維輪にほころびが生じて、中の髄核が外に飛び出したものが、椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアの内、首にある脊椎すなわち頚椎で発症したものを、頚椎ヘルニアと言います。

頚椎ヘルニアは、腰に起こる腰椎ヘルニアに比べて、痛みは穏やかだと言われています。
しかし、首には、大切な神経組織がたくさん集まっています。そのため、頭痛、めまい、眼精疲労、肩こりといった症状が現れます。
頚椎ヘルニアは、安静にしていると自然治癒することもあります。しかし、重症である場合は、病院でレーザー治療や手術などの対処を受けることができます。

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